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木塔プロトタイプ

2012

近年、地球規模の環境問題を考えるに当たり、CO2削減のための森林の質とその向上が問われている。我が国は国土の7割弱を森林で覆われて

いるものの、それらが有効に活用されていないのが現状である。林業の衰退、木造家屋に伴う木の文化の衰退が著しい。このような中で、木材の燃焼を大幅に防ぐ液対処理の技術が開発された。本プロジェクトは、この木の不燃技術が、国交省の定める二時間耐火の大臣特認を得られることを想定し、建築基準法に準じた木造建築物の可能性を検討する。無垢のLVLパネルを構造壁とした壁構造の場合、最大14階までの木造建築物が建設可能となる。パネル同士のジョイントに木組みの工法を用いることで、金属に依存した既往のパネル工法を越える新しい手法の開発を目指す。また、日本の伝統建築である五重塔が示すように、木造の高層建築物は、その柔軟さや軽量性によって地震力を軽減することができる。さらに、木材パネルをインテリアに使用することで、木が呼吸すること

による空気調整機能を活用することができる。LVLを用いた建築は、構造材・仕上げ材・断熱材を兼ねているため、通常多くの工種を必要とする鉄骨造の建築に比べ、時間とコストの短縮につながるというメリットを持つ。

このように、伝統的な木造建築の知恵と新たな建築技術を用いた、新しい木造建築物の創造を目指す。

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